道徳タイムズ
最終話
私は道徳が嫌いだった。
道徳の授業は、正しいことと間違ったことが並べられた樹海。
理想論みたいな正義と悪が並べられたりした。
時には個性さえ否定されたりした。
昔は私も考えるのが好きで
答えのない道徳の授業も好きだった。
或程度自由度のある選択。
だけど気付いた。
私の個性では誰も救えない
なぐさめることもできないと気付いた。
私はただ変わるって事を知らなかったから。
人は変われるってことを知らなかったから。
私が嫌いになったのは道徳なんかじゃなかった。
それは、私自身だ。