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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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かげぼうし

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小学校の5・6年生ともなれば、部活動が忙しくなって学校から帰るのが遅くなるのが常だ。
 なかには塾だと言って授業が終わるとすぐに帰って行く子供たちもいるが、活動的な子
はソフトボールやサッカー、ミニバスケットボールなどをやっている。
 秋の日はつるべ落としなどと昔から言われているが、なるほど、10月ともなると夕方5時頃にはすっかりあたりは暗くなる。

 さて、今日も部活を終えた子供たちが、三々五々校門から出てきた。そのうち、男の子数人と女の子数人が一団となって、なにやら楽しげに話している。
 満月の近い十三夜。月が出たばかりの時間で、あたりは月明かりでくっきりと影が浮かんでいた。
「ねえ、影踏みって知ってる?」
 それまでの話を遮って、一人の女の子が不意に言った。
「なにそれ」
と、男の子たちが聞き返した。
「あ、わたし知ってる。影踏み鬼でしょ?」
「うん。鬼になった人が逃げるみんなの影を踏むの。一番最初に踏まれた人が次の鬼」
「全員の影を踏んでも、だれかが鬼の影を踏んだら、また鬼をやらなくちゃならないの」
「へえ、おもしろそうだね」
「うん。ただ歩いてるだけじゃつまらないしね」
「やろう。やろう」
 そう言って、子供たちはじゃんけんをして鬼を決めると、めいめい駆けだした。
 最初は順序通りに一人一人影を踏んでいったが、夢中になった子供たちは、入り乱れて、お互いに影を踏みあったりして大はしゃぎになった。

 ふいに雲が出て、月が隠れた。
 影が見えなくなってしまった子供たちは興ざめしてしまった。
 しかたなく歩き出したが、やがて雲が晴れ、再び月が顔を出すと、子供たちは元気よく月明かりの中に飛び出した。
「また、続きをやろうよ」
「うん」
 ところが、急に一人の女の子が悲鳴を上げた。
「きゃあ!」
「どうしたの?」
「あ、あれ」
と、震えながら指さす先を見ると……

「うわぁぁぁぁ」

 その場にいる全員の影が骸骨になって、地面に浮かび上がっていた。


作品名:かげぼうし 作家名:せき あゆみ