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天使と 第一章

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そういって、自分の右耳を指差す。
「そうだったね〜ごめんごめん。」
タケは人懐っこい笑みを浮かべている。
トモは15年前のあの出来事で右耳が聞きづらい。
そのため、仲のいい友人は左側に話しかけるか声を大きめにして話しかけるようにしている。
「でさ、トモ君話変わるんだけど今日の午後暇?」
「暇だけど・・・如何して?」
タケは少し照れながら話を始めた。
「あのさ、今日さ、話したいからさ・・。」
タケの顔が真っ赤に染まる。
「いいよ〜。午後は暇だから。」
ぱぁっとタケの顔が明るくなった。
「じゃあ洗濯物手伝うよ!」
そう言って、2人は洗濯場へ向かう。


「すっかり手が冷えたね〜。」
タケは水で冷えた手に息を当てた。
2人とも指先が真っ赤に染まっていた。
トモも同じ事をしていたが不意にタケの手をとってギュッと握り、
「これなら暖かいんじゃない?」
そう言って笑う。タケは顔を真っ赤にしていた。
「タケ、顔も真っ赤だ〜。」
トモは手を握ったまま問いかける。
「あ、あそうだねじゃあ表いこうか。」
2人は手を離して、表へ歩いていく。
他愛も無い話をたくさん。
そうして、日向の暖かい芝生へとついた。
2人でしばらくぼうっとしていた。
周りには、ベンチで本を読んでいる老人やボール遊びをしている子供づれが見えた。
「絶対朝早めに洗濯しないようにしようね、トモ君。」
そう言って横を向くと、トモはうつらうつらと船を漕いでいた。
身体が大きく揺れたかと思うと、少しだけ目を開けまた寝始めてしまった。
そのまま倒れるといけないと思いタケはトモの頭を自分の方へ傾ける。
そして、この幸せの時間を与えてくれたジョウに感謝していた。
そうして、自分も一緒に寝息を立て始めた。
作品名:天使と 第一章 作家名:私は誰?