小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

天使と 第一章

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
「早く、その悪魔を結界の中へ!」
天使たちはその声がする方へこの世のものとは思えない異形の悪魔を追い込む。
天使たちはボロボロになりながらも、懸命に悪魔を誘導する。
その声のするほうには、純白のフードを被った男が座っていた。
「はやく、結界が、消える!」
そう叫んだ瞬間に、悪魔は結界の中へ一歩足を踏み入れた。
フードの男はそれを見逃さずに、一息に呪文を唱えた。
「我が身を生贄とせん。魔物を滅する。エリサダエムアラエアッサ」
そう唱えた瞬間――
あたり一面まぶしい光に包まれた。









それから15年後

「ジョウ様、おはようございます。お加減はいかがですか。」
トモは、ドアをノックをし、カーテン越しから声をかけた
すると中から慌てたような物音が聞こえた。
「ちょっと、待ってくれ。今着替えてるところだから。」
寝巻きが床に落ちる音がする。
そして、何時もの衣装を身にまとう音もする。
「開けていいよ〜。」
トモは一礼してから、カーテンを開ける。
其処には純白の服を着たジョウが立っていた。
何時ものように仮面に覆われていない左側の顔はニコニコと笑っている。
しかし、トモは寂しそうな顔をして寝巻きの方を見た。
「また・・ですか・・・。」
シーツには点点と赤黒い染みが付いている。
「幾ら治癒能力があるからといってほぼ毎晩したら、こっちの身が持ちません。」
淡々とそれらを洗濯籠へ放り入れる。
「ごめんね〜。押さえ切れなかったみたい。」
そう言って仮面をそっと抑えた。
「ですから言っているでしょう、押さえ切れなかったら私を呼んでくださいと。」
きっぱりとした口調できつく言った。
その後に、優しい口調で
「今日の朝食はコガネコムギパンのトーストとスイートベリーのジャム、フンワリニワトリのオムレツです。飲み物は絞りたて牛乳と紅茶どれがいいですか?」
テキパキと朝食の支度を始めた。
「牛乳で。本当にそれだけだよな?ルカワカメとか入れないでくれよ。」
「好き嫌いはいけませんよ。」
トモはまた笑いながら、さっさとテーブルに料理を並べる。
ジョウは顔を見て思い出したような表情をするとこういった。
「今日の夜は晩ご飯食べずに此処来てね。いい事あるから。」
トモは呆気にとられた様な顔をしたが、畏まりましたと言って頭を下げた。
ジョウは朝ごはんを食べ終わると、さっと部屋を出て行く。
作品名:天使と 第一章 作家名:私は誰?