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朧木君の非日常生活(13)

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「騙したな、お前!」
もう女の子とは呼べない。
いつの間にか表情は人間離れしたものに戻っている。
悲しさ、寂しさなんていう淡い感情は消え失せている。
「くくく、何を言っているんだい? 実に滑稽だね。いや、嘲笑する価値もないな。騙された方が悪い。騙そうとして逆に騙された、お前がね。さぁ、消えてもらうよ」
「消える?この私が?」
蜻蛉さんの言葉に妖が高らかに笑いながら答えた。
「あぁ、消えてもらう」
しかし、対する蜻蛉さんの声のトーンは変わらず淡々と答えた。
「どうやって私を消すの?」
「━━人柱の儀式」
「ッッッッッッ!!」
『人柱の儀式』、この言葉を聞いた瞬間、妖の表情が目に見えて強張った。
いや、恐怖の感情だろうか。
「くくく、自分が殺された用にまた殺される。実に滑稽な話だと思わないかい?」
そうか、蜻蛉さん。
この人は、妖のトラウマを抉っているんだ。
的確で正確で、実に酷い。