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「けどね、朧木くん。君は一つ見逃していることがある。実に滑稽だ。始まりは常にクライマックスだよ」
　･･････え？
何だろう。
ここまで来て見逃していること。
「いいかい、 朧木くん。それはね」
蜻蛉さんは、一拍置き、続けた。
「彼女の服、だよ」
･･････服？
赤い振袖がどうしたって言うんだ。
それだったら、座敷ちゃんも、赤い振袖を着ているじゃないか。
「いや、服というより身に付けている物、全てだね」
身に付けているもの･･････？
俺は女の子の身に付けている物をじっくりと見て、その後に座敷ちゃんが身に付けている物を見る。
「分かるよね、朧木くん。そう、奴が身に付けている物は」
そう、蜻蛉さんが言いたいことは。