朧木君の非日常生活(13)
蜻蛉さんは、凄い。
そして、今は怖い。
言葉で人を殺せる気がする。
「や……めて、もう死にたくない」
ほら、効果覿面じゃないか。
「死にたくない? その言葉には語弊があるな。死にたくないじゃない、お前は死んでいるんだよ。勘違いも度が過ぎると聞くに耐えないよ」
蜻蛉さんは、言いすぎじゃないか、というくらい攻める。
トラウマを抉る。
「うだうだ喋っていても何も始まらない。さぁ、儀式を始めようじゃないか」
そう言って蜻蛉さんは、何処からともなく大量の藁を取り出し火を着けた。
「や、やめて・・・・・・」
作品名:朧木君の非日常生活(13) 作家名:たし