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朧木君の非日常生活(13)

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其の後


俺は夢から目覚めた。
『夢』、ではないか。ある者が俺に見せたメッセージを見終えたんだな。
「・・・・・・うっ」
そして意識を取り戻した俺を迎えてくれたのは、またしても蜻蛉さんと座敷ちゃんだ。
「大丈夫かい? 朧木くん」
「良かった。目を覚ました」
俺は、まだ痛む腹部を押さえながら起き上がった。
「まぁ・・・・・・なんとか」
実際起き上がるのも辛いけど、今はそんな悠長なことを言っていられない。
助けなくてはいけないんだ。あのメッセージを見せてくれた者を。
「蜻蛉さん、さっそくだけど話したいことがあるんだ。聞いてくれる?」
「なんだい? 急に」
俺は、全てが繋がったんだ。
蜻蛉さんに話さなくてはいけない。
「蜻蛉さん、さっき鎌鼬村の生き残りと言ったよね?」
「言ったよ、それがどうしたんだい?」
「あなたは後悔している。この村から出ていったことを。そして、村が滅びた元凶だと自分を呪っているんだね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
多分、これは間違いない。蜻蛉さんは、インターネットの掲示板等で多分鎌鼬村のことを知ったんだろう。
「その無言は肯定と受け取ってもいいよね?」
蜻蛉さんが、無言になるなんてことは、まずない。
これは確実に肯定の証だ。
そして、今もなお自分を責めているんだろう。
「ちょっと待って、朧木くん。蜻蛉くんは何も悪くない」
座敷ちゃんがすぐさま蜻蛉さんを庇った。
知っているよ、座敷ちゃん。蜻蛉さんが何も悪くないってことは。
でも今は、ごめん。
「口を挟まないで聞いてくれ、座敷ちゃん」
本当にごめん。
「分かった、最後まで聞く」
やっぱり座敷ちゃんはいい子だな。
ちゃんと分かってくれている。