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みち

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ある日、何を思ったのか突然旅に出るって言って亜っちゃんが帳を車に乗せエンジンをスタート。

帳は何時ものように亜っちゃんの肩に乗り「何処行くの」と質問してみる。
ハンドルを握ったまま亜っちゃんが、帳の質問を理解したかのように応えてくれた。
「これから、岩手県の遠野市に行くつもりだ。でな、宿泊先はペットオッケなところだからお前と俺の2泊3日の旅のはじまりだ」と。

遠野市近郊の宿泊施設では、ペット可なお宿がかなりある。
まず、【きくゆう】さん、【鍋城】さん、【徳田屋】さん、【古軒】さん、【おとぎ屋】さん、【みんなの宿縁】さん、【コテージランドかしわぎ】さんなど…
結構あるでしょ。

亜っちゃんは、関東から東北自動車道を使い北へと向かった。
帳は、車が移動してる間は酔ってしまわないよう何時も亜っちゃんの足元…
つまり運転席の下で仮眠するのだ。

数時間した頃、亜っちゃんのでかい声で起こされる…

「帳見ろ。狐の嫁入りだぞ」
東北自動車道を走り続け、北緯39度を越え奥州藤原氏で有名な岩手県奥州市に入ったばかりの頃だった。

「何その狐の嫁入りって…」
亜っちゃんの肩に乗ってみたものの、狐の姿は見ることはなく。
流れる風景に酔いそうになるも、天気は良く晴れ…
アレッ、晴れてるのに雨だ。何で?

「帳。これが狐の嫁入りなんだよ。お天気雨は昔からそう言われているんだ」
何で、ねえ、何で狐なの…嫁入りって。
「何でかってぇと…俗信に由来してんのかな。まあ、解らんけど」
知らんのかいっ。
「何にせよ、遠野旅行に来て狐の嫁入りで出迎えられたんだから歓迎されてんだろ。妖怪様ありがとぉ」
ハァ~始まった。
妖怪変人男。
この旅行も妖怪の伝承地を巡るって言ってるしどうなる事やら…

作品名:みち 作家名:槐妖