小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
ツイスター
ツイスター
novelistID. 14121
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

沼池主の日常

INDEX|6ページ/6ページ|

前のページ
 



 自分の家としている屋敷の中庭にある池の前に、見知らぬ男が立っていた。くしゃくしゃ頭に、きゅっとしたつり目の男で、なまずと同じような着流しを着ていた。
(はて、見たことのない男だが・・・)
 今、人間に化けているなまずは、つり目男を見てとっさ物陰に隠れた。下手に見つかると、人間に捕まえられてしまうかもしれない。そして人間とは、あまりろくなものではない。
 しかし、つり目男はパッとこちらを見た。・・・・・どうやら、見つかってしまったらしい。そして、こちらへ駆け寄ってきた。
(仕方ない、何か言って怖がらせるだけ怖がらせておくか)
 隠れることをあきらめてなまずが物陰から出た。すると。
「なまずサン!僕もついに化けられるようになりましたよ!これからは、なまずサンにくっついていろんなところに行けられますから!いつも話してる図書室の?本?さんにもに会わせてくださいよ!」
 嬉しそうに言うつり目男の声を、なまずは池の中で嫌というほど聞いた。普段何を考えているのか分からないような奴の、これだけ嬉しそうな声を、今はじめて知った。
 

 
 なまずの周りにいるさまざまな人や物は、今日も彼らなりに生きている。






作品名:沼池主の日常 作家名:ツイスター