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ツイスター
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novelistID. 14121
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沼池主の日常

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 靄のかかった沼のような池の中。
 甲高い声で目がさめた。


「はい、あたしの勝ちィ」「あっあっ、ズルい姉さん、今ズルしたぁ」
「だから今のは無しだよ」「きゃっははははは、なんとでも言え!・・・あ痛い」
「ズルは駄目でしょう。いけませんよ」「だからってぶつな、かわいい妹を!」
「うそだーぁ、ズルをするお姉ちゃんだもの」「かわいくないよーぅ」
「うるさぁぁぁぁい、お黙り!」「わぁ、おねぇが怒ったー」「ぶさいくー」
「あはははははは」「きゃはははははははは」


 ・・・・・・・うるさい・・・・・・・
 腹が立ったので、二度寝しようと決めた。
 しかし。
「おやぁ?おはようございます、なまずサン」
 目の前に、毎日のように見る何を考えてるのか分からない顔が、にゅっと出てきた。
 すぐさま目を閉じる。
「狸寝入りはよしてくださいよ、大人気ない」
 無視。
「なまずサァーン、もうお日様が出てる時間ですよ?」
 無視。徹底無視。
「・・・・・・仕方がないなぁ」
 よし。
「おーい、なまずサンが起きないんだけど、誰か叩き起こしてくれる者はいないかい?」
 一瞬にして起きた。
 冗談ではない。朝からあんなキィキィ声を聞いてうんざりしているのに、これ以上近く
に寄って騒がれてたまるか。
 頼むからもう近くによるな。うるさい。
「なまずさま、おはようございます!」「ちょっと聞いてくださいよ、このぶっさい妹がね」
「朝からそんな話しなくてもいいでしょおねぇ」「ちょっと、ぶさいって誰のこと?」
「今日はずいぶんゆっくりされてたんですねぇ」「ばっか、お疲れになってたのよ」
「あ、そっかぁ」「すごいねぇ、お姉ちゃん」「ふふん、さぁもっと誉めなさい」
・・・・・・・・・・・・・・うるさい・・・・・・・・・・・・
 

作品名:沼池主の日常 作家名:ツイスター