凡人の非日常
信号を駆け足で渡る。
運動なんて普段しないため全力で少し走っただけで、もう体力が尽きた。
体力は空っぽ、なのに心のぐちゃぐちゃは空っぽになんない。
くそ、せっかく止まったのにまた涙が出そう。
そんなことを考えていたらいきなり腕を掴まれた。
後ろを振り向くとそこには髪をぐちゃぐちゃにした先生がいた。
何で…。
何で追いかけてきたの?
優しくしないで。
また期待しちゃうじゃん。
眼中に無いくせに。
好きな人、家にいるくせに。
何でここにいんの?
先生への想いがまたしょっぱい涙となって流れる。
辛い。