凡人の非日常
7
気づいた頃には俺は階段をを全速力で降りて、人が余り歩いていない歩道を走っていた。
何で走ってるんだろう。
そう心に問う。
答えはすぐ出る。
このぐちゃぐちゃした色んな思いを消したいから。
俺はいつもそうだ。
知らないふりをする。
気付いてないふりをする。
もうわかってるんだ。
何で耳元で囁かれただけで顔が赤くなったのか。
何で手を繋いだだけであそこまで動揺したのか。
何でドアに押し付けられただけで馬鹿みたいに心臓がバクバク鳴ったのか。
何で抱き締められただけで頭が真っ白になったのか。
このぐちゃぐちゃした色んな思いは結果的に何処へ繋がってるのか。
先生が好き。
そこに繋がる。
悲しみも喜びも辛さも諦めも全て先生への想いに繋がった。
頬に涙がつたう。
恋って苦しいんだ。