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ロックンロールは巻き寿司じゃねえ!!

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「警察ですが」
「見りゃあ、分かるよ」
「あなたは誰の許可を取って、ここでフリーマーケットをしてるんですか?」
「許可?許可なんか取ってないよ」
「ここで物を売るには、主催者の許可がいるんですよ」
「あっそう」
「そうじゃなくて、今すぐ撤去して下さい」
「なんでよ。なんで撤去しなきゃいけないんだよ。まだ何にも売れてないのに」
「売れていないうちに片付けて下さい」
「なんでよ。フリーマーケットなら、フリーに売って良いんだろ?」
「そういう意味じゃないです。」
「意味が違うって?今日はピースイベントなんだろ?ケチな事、言ってんじゃねえよ」
「ピースにもルールはあります。ところで、この物はあなたの物ですか?」
「おいおい、いうに事欠いて、人を罪人みたいに言うんじゃねえよ。おめえがいうように、何事にもルールはあるんじゃねえのか?ああ?」
「それではお尋ねします。この婦人用のバックは、あなたの使用していた物ですか?」
「俺は使わねえよ。つまり、その、何だ。あれだ、嫁のだ」
痛いいい方しやがる。俺のじゃねえが女房のだ。こんないい方をされたら、自分の物とは言えない。
「あなたの奥さんの物ですか。へえ、あなたには似つかわしくない物を使う奥様なんですね」
「人を見た目で判断するな。バカヤロー」
「ルイ・ヴィトンのバックですか。あなたがプレゼントしたとはとても思えないですね」
「失敬な。バックの1つや2つ、嫁に買ってやって当然だ」
「一応あらためさせて頂いてよろしいですか?盗難届の出ている物の場合もありますので」
「ふざけやがって、勝手にしろ。何かで咎められる覚えはねえ」
警察官2人は、互いの顔を見合わせた後にヴィトンのバックをはじめ、敷物に広げた物を手当たり次第にまさぐった。疑われる物はない。女房に断りなく持って来ただけだ。関係あるか。大体よそに男作って、都合が悪くなったから俺に出て行けといったまでだ。物の1つや2つ、持ち出したってバチが当たるもんか。
めちゃくちゃにとっ散らかしたのちに、警察官は再びヴィトンのバックを持ち上げて、
「これは何ですか?」
と尋ねた。バックのポケットから、小さなビニール袋が出て来た。