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朧木君の非日常生活(11)

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回葬編 其ノ三


 俺と蜻蛉さんは、とりあえず集落の民家を一つ一つ調べることにした。一つ一つ調べる、と言っても決して民家の数が多いわけではないから、さほど苦労はしないだろう。
 ただ一つ民家の数以外に俺、朧木真夜を襲っている問題点は、単純に。


 恐い。


 いや、だって・・・・・・辺りは月明かりが頼りの暗さで、女の子の幽霊? 的なのが出ちゃったりさ。
ましてはこの集落!
 いきなり目の前に現れてきて俺たちを捕らえた(蜻蛉さん談)って言うんだよ?
 恐いだろ・・・・・・普通に考えて恐いだろ・・・・・・いや、考えなくても・・・・・・ってか、考える余地もないほど恐いだろ。
 俺だって普通の人間なんだよ? 
急に『日常』を変えられて、『非日常』的になってしまったんだよ? これが蜻蛉さんの日常だとしたら、俺は一生かかっても理解できないと思う。
 
 ・・・・・・訂正。

数年後は理解してるかも。
 まぁ、とりあえず今はとことん怖い。
何か考えてないと無駄に怖い。
蜻蛉さんも無口になって色々と考えちゃってるみたいだし。
 ていうか、さっきは青春男子高校生の友情のワンシーンみたいに手を取り合って『借り一つだよ』なんてことやっちゃってたけど、よく考えたら本当何この状況。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・もっと沢山愚痴りたい。
 けど、我慢。
 男だったら『漢』らしくを目指すのみ。
 『人生諦めも肝心』なんて言葉、前に誰かに言われたけど、そんな言葉、今ばっかりは俺の辞書から消してやる。
 ・・・・・・諦めも大事だっけ?
 どっちだっけ?
 ・・・・・・どっちかなんて関係ない! 俺は諦めない! この捕われた運命から抜け出して見せる。

 人が生きる、と書いて『人生』
 人が生きた、と書いて『人生』

 後者はまだ俺には早すぎる!
 と、その時。