小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
松嶋ネコヂロウ
松嶋ネコヂロウ
novelistID. 18091
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ホロ

INDEX|6ページ/6ページ|

前のページ
 

 ユリは涙ながらにホロを抱き返した。相変わらず冷えたゼリーのような抱き心地だったが、しっかり抱き合うと少しだけ温かさを感じた。
 ――実際、おいらは生前の記憶を日々失くしていってる。次会うときゃお前さんの名前すら思い出せないかもしれねえ、それでもいいか?
「そんなの、恐いよ、お母さん」
 ――大丈夫だ、大丈夫。
 ホロが彼女の頭を撫でる。
 これ以上泣いてはいけない気がした。それでもユリの嗚咽は止まらなかった。母に抱きしめてもらうのが久しぶりで、それがやけに温かかった。
 ホロの吐息が髪に触れる。

 ――大丈夫、大丈夫よ、ユリちゃん。
 耳に届いたのは、母の優しい声だった。
作品名:ホロ 作家名:松嶋ネコヂロウ