小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

しーちゃんのこと

INDEX|1ページ/7ページ|

次のページ
 
どうしよう。何事もやりすぎてしまうのが悪いクセ。何かを人にあげるとなると、どうしてもハンパなものをあげたくない気持ちになってしまう。プレゼントなんて気持ちのもので、中身よりもその背景が伝わるものじゃないか。そうは思っても、こっちの方がいいんじゃないのか? あっちの方がいいんじゃな いか? などと、いつまでもクヨクヨ悩んでしまう。僕がしーちゃんにあげたいものは、形あるものじゃないから、それで余計に迷ってしまうのだ。
 僕があげたいものは、10の神社にお参りに行った記録。10個の絵馬をあげたいと考えている。絵馬なんてもらって喜ぶ女の子なんているわけないのだ。そのことが分かっているのだが、どうしてもそうせずにはいられない。僕を宮参りに駆り立てるのには訳があるのだ。

 しーちゃんは風俗嬢だ。いつから勤めているのか知らないが、僕がそのお店に行くようになって、最初に出会ったのがしーちゃん。彼女は源氏名で「しの」という。本名は知らない。知る必要のないものだ。最初に彼女に出会って以来、彼女だけを指名した。

 下らないかも知れないが、僕は僕なりの風俗に対する考え方がある。金払いの遊びとは言え、こういうものこそ出会いが重要であると考えているのだ。お互いが賭けだ。
作品名:しーちゃんのこと 作家名:佐藤英典