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マスクホン少女

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時が一瞬止まった。
何だろう、この人あほなんじゃないかな?

「だから、君の声を俺にください!」

…はい?
意味がわからない。
そうだ、ここは一刻も早く立ち去ろう。
それが良い。

立とうとする。
…男子が邪魔で立てない。

「邪魔」
「え?」
「だから、邪魔」
「あ、ごめん」

男子が困っている。
私は追い打ちをかけるように、睨みつける。
男子が横にずれる。
私は立つ。
歩こうとした。

「考えておいてよ!」

何を?
さっぱり意味がわからない。

「は?」

iPodに手を伸ばす。

「だから、これから―」

そこで曲が流れ始めたから、彼の話を聴くのをやめた。

「!」

何かまだ叫んでるけど、もう聞こえない。
聞こえるのは音楽だけだった。


―教室―
何だか疲れた。
机にうなだれる。
すかさず玲が突っ込んで来る。
iPodの電源を落とす。

「どうしたの?」
「疲れた」
「何で?」
「変な人に会った」
「誰?」
「変な人」
「どんな人?」
「…寝る」

玲の質問攻めは結構うざい。
だから私はすぐ逃げる。

「寝るって…もう授業だけど」
「…起きる」


授業中。
心地よい暖かさの中、さっきの事を振りかえる。

誰?
わからない。
男子と話すの久々だなぁ。
久々にしてはちょっとインパクト大きかったけど。

『君の声を俺にください!』

…もしかして、歌声聴かれた?
…やばい。
聴かれたくなかった。
もうあそこで歌えない。

恥ずかしいってのもあるけど、あまり声を聴かれたくない。

またあんな不愉快な思いするのは嫌だ。

…それにしても本当に誰なんだろう?
急に初対面なのに叫んできた。
…嫌じゃないけど。
むしろストレートな叫びって、好き。
あの男子が好きってわけじゃなくてね。

さて…明日から昼、どうするか…。
作品名:マスクホン少女 作家名:koma