朧木君の非日常生活(10)
目の前に集落が広がっていた。
決して密度は濃くない集落。
そう、つい数瞬前までにはなかったもの。
存在していなかったもの。
俺と蜻蛉さんは、同時に後ろを振り返った。
『また鎌鼬村に遊びに来てね』
あの看板の裏側だろう。
ということは、なんなんだこの集落は!
今度は視線を正面に移した。
━━━━ッッッッッッ!!!!
瞳孔が一回、二回と収縮活動を行った。
その瞳孔に写し出されたもの。
その瞳孔が写し出すもの。
それは。
作品名:朧木君の非日常生活(10) 作家名:たし