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朧木君の非日常生活(10)

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 ここまで話し終えて俺は一息ついた。
「へー、朧木くん弱虫だねー」
ここまでの話を聞いて鬼火ちゃんが若干の侮蔑じみた表情を織り交ぜて言った。
「俺は弱虫なんかじゃないよ、鬼火ちゃん。蜻蛉さんが異常なんだ」
「僕を異常者扱いしないでくれるかい?」
 いやいや、あの状況で平然としていられるのは、あなたくらいですよ?
 そもそも、出会って二日目であそこまで貢献した俺を褒めてほしいくらいだ。
 「むしろ出会って二日目であそこについてきた朧木くんが悪いよ」
 「帰れ!」
 何を言っているんだ、この人は。
 人のお人好しを逆手に取りやがって。
 次はないぞ。
 ったく。


「鬼火ちゃん、まだまだ続くけど大丈夫?」
 「うん! もっと聞かせて!」
 しょうがないな、鬼火ちゃん。
 一気にたくさんしゃべって少し疲れちゃったけど、鬼火ちゃんが楽しそうだから、休憩なしで話そうかな。
 なんだかんだ蜻蛉さんも聞いているみたいだし。