朧木君の非日常生活(9)
「べ、別にあんたに来てほしい訳じゃないんだから」
「感情のないツンデレでごまかすな!」
可愛さのかけらもない。
むしろキモイ!!!!
「で、どうするんだい? 朧木くん」
あー・・・・・・・・・・・・もう、しょうがないなぁ。
「借り、一つだよ蜻蛉さん」
「そうこなくちゃね、朧木くん。実に感嘆だよ」
あー・・・・・・もう、本当に憂鬱だ。
だって俺たちは、何があるか分からない、何が起こるか分からない、得体の知れない禁足地に向かうんだから。
見放された村。
隔離された村。
嫌悪された村。
差別された村。
死んだ、村。
首を括った村。
その村に行くんだから。
作品名:朧木君の非日常生活(9) 作家名:たし