朧木君の非日常生活(9)
回葬編 其ノ一
「ねぇ、朧木くん、蜻蛉さん。何処に行くの?」
鬼火ちゃんが不思議そうに聞いてきた。
俺達三人は珍しく爛爛と輝く太陽が顔を覗かしている時間に外出していた。
これまた珍しく、電車を使って。
「駅に着いてからのお楽しみだよ、鬼火ちゃん」
「朧木くんのケチー、今でもいいじゃん」
俺の返答に、鬼火ちゃんが頬っぺたを膨らませて拗ねて見せた。
手足はジタバタしている。
相変わらずカワイイなー、鬼火ちゃん。
「それにしても朧木くん。太陽ってこんなにも眩しいんだね」
キザ野郎だな、でも同感です。
「朧木さん、これを気に昼夜逆転を逆転するの?」
「しないさ。僕には太陽は眩しすぎる」
本当にキザだね。でも同感です。
「わぁ朧木くん。海だよー!」
鬼火ちゃんが電車の外を見ながら言った。
俺もつられて外を見る。
そこには雄大な海が広がっていた。
吸い込まれそうで、包み込まれそうで、全てを受け入れてくれそうな雄大な自然。
「鬼火ちゃんは海を見るの初めて?」
あまりにも嬉しそうに、深紅に染まった目を輝かせているものだから、俺はそれとなく聞いてみた。
「 ううん、違うよ。でも、久しぶりだよ」
「そっか」
「でも、朧木くんと一緒だからもっと嬉しいかも」
この鬼の子は本当に爆弾を落とすな!
「くくく、朧木くん。僕は今とても滑稽だね」
よし。
スルーしよう。たまには悲しめ。
と、その時。
「ねぇ、朧木くん、蜻蛉さん。何処に行くの?」
鬼火ちゃんが不思議そうに聞いてきた。
俺達三人は珍しく爛爛と輝く太陽が顔を覗かしている時間に外出していた。
これまた珍しく、電車を使って。
「駅に着いてからのお楽しみだよ、鬼火ちゃん」
「朧木くんのケチー、今でもいいじゃん」
俺の返答に、鬼火ちゃんが頬っぺたを膨らませて拗ねて見せた。
手足はジタバタしている。
相変わらずカワイイなー、鬼火ちゃん。
「それにしても朧木くん。太陽ってこんなにも眩しいんだね」
キザ野郎だな、でも同感です。
「朧木さん、これを気に昼夜逆転を逆転するの?」
「しないさ。僕には太陽は眩しすぎる」
本当にキザだね。でも同感です。
「わぁ朧木くん。海だよー!」
鬼火ちゃんが電車の外を見ながら言った。
俺もつられて外を見る。
そこには雄大な海が広がっていた。
吸い込まれそうで、包み込まれそうで、全てを受け入れてくれそうな雄大な自然。
「鬼火ちゃんは海を見るの初めて?」
あまりにも嬉しそうに、深紅に染まった目を輝かせているものだから、俺はそれとなく聞いてみた。
「 ううん、違うよ。でも、久しぶりだよ」
「そっか」
「でも、朧木くんと一緒だからもっと嬉しいかも」
この鬼の子は本当に爆弾を落とすな!
「くくく、朧木くん。僕は今とても滑稽だね」
よし。
スルーしよう。たまには悲しめ。
と、その時。
作品名:朧木君の非日常生活(9) 作家名:たし