冒険倶楽部活動ファイル
時が進み、今年も後残すところ数秒となった。
「「「「「「「……5……4……3……2……1、0っ!」」」」」」」」
カウントダウンをすると新年の幕開けだった。
「「「「「「「あけまして、おめでとうございます。今年もよろしくお願いしますっ!」」」」」」」
私達は挨拶をした。
「去年の冒険はお終い、これから今年の冒険の開始だ!」
実はみんなで年を越す事が去年最後の冒険だった。
そして今年最初の冒険が始まった。
それはみんなで初日の出を見る事だった。
ただ時間があるのでみんなで初詣に出かける事になった。
やって来たのはシゲさんの神社だった。
神社には様々な露天が並び、初詣に来た人達で溢れ、私達は参拝客に紛れて賽銭箱の前にやって来た。
そして5円玉を放り投げて神様にお願いをした。
みんな真剣に(特に鯨那君は)お祈りした。
(ええと…… まず作家になれますように、それと今年も健康に過ごせますように、それとお小遣いが上がりますように、あ、それから……)
「ほのか」
「えっ?」
「もう終わったよ」
私が後を見るとみんな苦笑していた。
とても恥ずかしかった。
「まだ初日の出には時間あるし、それまで遊ぼうよ」
秀君が右手を差し出した。でも……
「あ、ごめん、私もう一回だけ……」
私は慌てて冒険ポーチの中のお財布から五円玉を取り出すともう一度合掌して頭を下げた。5円ぽっちで欲張りすぎた。
確かに夢も健康もお小遣いも確かに私にとって重要だけど、さらに重要でこれだけは忘れるわけには行かなかった。
「お待たせ、」
「最後に何祈ったの?」
秀君は聞いてくる、
「秘密、叶えられなかったら嫌だから」
「そう、じゃあ行こう」
「うん」
私は秀君と一緒にみんなの所に戻った。
確かに最初の五円玉で願ったのは私にとっては重要だけど、さらに重要なお願いがあった。それは……
「今年もみんなと要られますように」
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki