冒険倶楽部活動ファイル
「みなさま、こちらへ……」
ざっと学校の体育館の三倍はあるフロアには赤と青の2色の海賊船の船首部分をモチーフとして作られたゲストの待機場所があり人数分のパイプ椅子が用意されていた。私達は赤の待機場所に行くと会場を挟んだ反対側の青い待機場所には私達と同じくらいの小学生が待機していた。みんな私達のように海賊の衣装(青)を着ていた。
「それでは私は失礼いたします」
セバスチャン(鈴木)さんは私達から離れるとフロアの中央に行くと懐からマイクを取り出した。
『それではこれよりパイレーツ・ランド主催、セブン・シー・アドベンチャーを開催します!』
どうやらセバスチャン(鈴木)さんが進行役らしい、
『ルールは簡単、抽選で選ばれた2組のチームから代表者を出していただき、ゲームをクリア、得点の高いチームを優勝とします。なお一度出場した代表者はタッグ戦を除いて出る事はできません、ちなみに出題されるゲームは全部で7つ、全てこちらで決定されます。』
鈴木さんの指し示した先には小波の描かれた箱があった。その箱の中には10を越えるゲームの書かれたボールが入っていると言う。
「それでは第一試合……」
鈴木さんは箱の中に手を入れると1つのボールを取り出した。そのボールに書かれているゲームを見ると大きく天上に掲げて叫んだ。
『神経衰弱・対決ッ!』
それは代表者が1名づつ、鈴木さんの後ろにある巨大モニターに描かれたA〜Zの描かれた26のパネルの裏に描かれた魚や海産物を当てると言う普通の神経衰弱だった。
「どうしよう、私これ苦手……」
「俺も、自信ない……」
「僕が出るよ」
十波君が立ち上がった。
「運だけはいいからなぁ」
「……そうだな、クジ運悪いお前が出たら確実に負けるもんな」
「何だと?」
「何だよ!」
2人はまた喧嘩になってしまった。
「もう、2人とも止めて! みんな見てるんだからみっともないよ!」
私まで恥ずかしくなってきた。すると十波君は咳を払うと、
「そうだね、じゃあ行ってくるよ」
階段を降りてステージの方に向かった。
「まぁ、相手が余程の奴じゃ無い限り秀は負けないよね」
羽須美ちゃんは言う、
確かに十波君に勝って欲しいとは思ってるけど相手もこう言ったのに強い人が出てくるはず、油断は出来なかった。
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki