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冒険倶楽部活動ファイル

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 その後私も下に降りて舞加奈ちゃんの着替えを待つ、そして3人で十波君達が待つ港を目指した。
 でも舞加奈ちゃんは相変わらず夢の中だった。
「だ、大丈夫なの?」
「平気よ、会場に行ったら嫌でも起きるから」
 羽須美ちゃんは舞加奈ちゃんの手を引きながら言う、
 そして15分ほど歩くと会場である港にやってきた。
 花火が設置してある防波堤側には普段停まっている船の姿は無かった。
 全部移動させられ一般人は立ち入り禁止になっている、
 私達がいる市場側には色々な出店が並んでいた。
「わぁ〜〜、美味しそう〜〜っ!」
 本当に起きた。良く見てるなぁ……
「あ、いたいた。おーい!」
 するとそこにいたのは十波君達だった。
 3人は昼間と同じ格好だった。
「あ、浴衣着て来たんだ」
「うん、どうかな?」
 羽須美ちゃんは私の両肩をつかんで十波君の前に押し出した。
「えっ、ちょっと!」
 すると十波君は私を見ると目をパチクリさせた。
「……河合さん?」
「えっ?」
「見違えちゃった。凄く奇麗だから」
「ええっ? そ、そんな……」
 私は首を窄めた。
 とてもじゃないけど十波君と顔を合わす事なんてできなかった。
「どうしたの? 顔が赤いけど…… 具合でも悪いの?」
「えっ? ううん、ちっとも……」
「みんな〜〜っ!」
 すると舞加奈ちゃんが両手にいっぱい荷物を抱えていた。
 やきそばにたこ焼きに林檎飴に綿雨、何時の間に……
「花火が始まるまで時間あるし少し見て回ろう」
 すると十波君は私に右手を差し伸ばした。
「これだけ人多いし、迷わないようにさ?」
「……うん」
 私は十波君の手を取ると一緒に会場を回った。
 それからはまるで楽しい一時だった。
 今年の夏休みはとても幸せで嬉しかった。  
   
作品名:冒険倶楽部活動ファイル 作家名:kazuyuki