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　私はパソコンに悪戦苦闘していた。
　何しろパソコンは不慣れだった。ごくたまーにインターネットをするくらいだけどオンラインゲームなんて初めてだったからだ。
「ええと……　これをこうして……　あ、あれ？」
　私は操作をミスった。
　私は神官職だから定められた範囲のスキルをクリックするだけだけど、会話やキャラクター操作は難しい、
「えっと……　お・つ・か・れ・さ・ま……っと」
　私はキーボードを指先で押しながら言葉を作る。するとブラウン管の画面越しに他の子達から言葉が帰ってくる。
『きょうは頑張ったね』
『私達の魔法があれば無敵よ！』
　などなど色んな言葉が画面に表示される。私は思わずクスリと笑ってしまう。
　窓の外を見るとバケツをひっくり返したような雨が降っていた。今季節は六月を向かえ入梅すると毎日毎日雨が降り注いだ。今日で連続一週間、冒険も出来ずにいると十波君がこのゲームに誘ってくれたのだった。
『ザ・アルティメット・ファンタジー』
　このゲームは十波君の伯父さんの会社で作られているオンラインゲームで、参加してクエストをクリアするとその証であるバッジをくれると言う物だ。会社から寄せられるクエストをクリアするとピンバッジが送られ、全てのクエストをクリアすると記念のトロフィーをくれるらしい、私達はまだ１つも貰ってない。何しろ私達はまだ基本のレベル上げだけだからだ。