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特異体質 【オリジナル】

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 体が引っ張られる感覚がした。外側からじゃなくて内側からだ。正吉が僕の頭を撫で続ける。
「あーぁ、このバカ!」
 卓郎のそんな声が聞こえる。服が脱げた。僕は二人と違って替えの服はいらないけど、困る。
 僕の格好が完璧にそれっぽくなると、ようやく正吉は放してくれた。
「はい、終わった」
「お前な・・・片づけする奴がいねぇじゃん」
「ちょっと待ってよ、僕が全部片付ける予定だったの?」
 ぴょん、とちゃぶ台に飛び乗って、目の前にいる卓郎を見た。
「うぉ、お前その格好で近づくな、怖いから」
「文句なら正吉に言ってよ、とりあえず片付けはよろしく」
「うんー、頑張る」
 たぶん、表情が見えてたらへらへら笑ってるだろうなー・・・。
 でも、綺麗好きなので、本格的な掃除を始めた。缶が浮いてはくしゃくしゃに潰れて捨てられていく。
「あ、掃除機もかけようか」
「止めてよ」
 僕は掃除機がかかると耳が破けそうになる。人間の何倍も聴力がよくなってるのだ。
「んじゃー、頑張れよ正吉、一か月分くらい掃除してくれ」
「汚いからなぁ」
「うるせぇよ、お前の分まで俺達が働いたんだぞ」
 口喧嘩を見ながら、僕は丸まった。どうやら僕も少し酔ったらしい、掃除機は使われないようなので安心だ。
「じゃあさ、僕寝るから」
「おう、終わる頃には起こすな」
「おやすみー」

 僕は夢の中へ行った。夢の中くらいでは、猫になりたくないなぁ。

END