朧木君の非日常生活(8)
・・・・・・・・・・・・あった。
蜻蛉さんは軽く言っていた程度だけどあった。
━━離魂病
確か江戸時代の話だよな?
「くくく、気づいたようだね。朧木くん。そう・・・・・・離魂病で正解だ。正確には蜘戒さんは元離魂病患者だよ。患者という表現が正しいのかは分からないけどね」
「離魂病って何なの?」
確か、あの時は離魂病について深く触れなかったはずだ。
「そのままだよ、朧木くん。魂が半分体から離れるんだ。そして、そのまま魂が戻らず死んでしまったら・・・・・・魂を探す魂のみの存在となる。そう伝えられているね」
なるほど。
でもそれだと一つ引っ掛かる点がある。
「ちょっと待ってよ。それじゃ何で蜘戒さんはこの場でドッペルゲンガーを見たの?」
「周りをよく見るんだ、朧木くん」
蜻蛉さんにそう言われ、辺りを見渡す。
作品名:朧木君の非日常生活(8) 作家名:たし