朧木君の非日常生活(8)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?
「もう一度言おう。蜘戒さん、あなたは死んでいる」
何を言っているんだ・・・・・・蜻蛉さんは。
死んでいるなんて有り得ないだろ。
死んでいる人間が見えるわけがない。
死んでいる人間が今、この場にいるわけがない。
「な・・・・・・何を・・・・・・言っているんですか・・・・・・?」
ほら見ろ。
蜘戒さんだって戸惑っているじゃないか。
「それじゃ、何故否定しないんだい? 違うなら否定すればいいじゃないか」
・・・・・・・・・・・・・・・確かにそうだ。
否定すればいいじゃないか。
疑問系に疑問系で返すということは図星…またはある程度の的は得ているのだろう。
でも、そうなると蜘戒さんはやっぱり、死人ということになる。
死してなお動いている。
生ける屍。
訳がわからない。
作品名:朧木君の非日常生活(8) 作家名:たし