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朧木君の非日常生活(8)

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「取り戻せよと・・・・・・言われましても・・・・・・」
「言葉の意味が分からないのかい? 自分を取り戻せと言ってるんだよ」
蜻蛉さんは、口調を変えず低く落ち着いたトーンで詰め寄った。
ここまでくると正直俺ですら・・・・・・恐い。
「か、蜻蛉さん。もう、いんじゃない? ほら、蜘戒さんも怖がってるっぽいし」
俺は、いてもたってもいられず蜻蛉さんん止めに入った。
「朧木くん、ごめんよ。今は口出ししないでくれるかい?」
そんな俺に対し蜻蛉さんは、こちらを見ようともせずに会話を断ち切った。
会話ではない、一方的な願望を断ち切ったのか。
これで俺と鬼火ちゃんは、二人の行く末を見守ることしかできなくなった。
またなんらかのアクションを起こしても蜻蛉さんに止められるだけだ。
「さぁ、蜘戒さん。自分を取り戻し、受け入れる覚悟は出来たのかい?」
蜻蛉さんは、いつものように微妙な笑みを浮かべながら問いただした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
対する蜘戒さんは無言。
恐くて口が聞けないというよりは、この場合返す言葉がないという表現の方が正しいだろう。
「その無言は肯定と受けとるよ、蜘戒さん」
この場合そうなるだろう。
そうとしか受け取れない。
「単刀直入に言おう」
そこで蜻蛉さんは一拍おいた。
作品名:朧木君の非日常生活(8) 作家名:たし