朧木君の非日常生活(8)
「そういえばさ、蜻蛉さん」
「なんだい?」
「蜻蛉さんは幽霊の存在を否定するんじゃないの?」
そう言うと蜻蛉さんは笑いながら答えた。
「ははは、僕は幽霊の存在を否定するけど魂の存在までは否定してないさ。それに、この話を誰かに伝えて言ったら結局は民間伝承、都市伝説になる。例えば『あそこに行くとドッペルゲンガーが出る』とかね」
もう、屁理屈にしか聞こえないよ、蜻蛉さん。
「本当に滑稽だよ、蜻蛉さん」
俺はそう話を締めくくった。
作品名:朧木君の非日常生活(8) 作家名:たし