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辺りを包み込むのは静寂。
俺たちを包むのは沈黙。
蜻蛉さんは言った「始まりは既にクライマックスだよ」と。
俺たちは口を開くことは出来ない。
口を開くという行為をしてはならない。
それほどの沈黙。
それほどの重さ。
それほどのプレッシャーをこの男、蜻蛉愁尓は放っている。
普段はヘラヘラと意味のない話をしているのに、いざという時は人格が入れ替わったかのような重圧を放つ。
俺がこの蜻蛉さんの姿を味わったのは随分と前の話。
話すと長くなっちゃうから今は語らないけど。
この話は後のお楽しみということにしておこう。