朧木君の非日常生活(7)
「それはそうと朧木くん。さっき目的のない散歩と表現したけど、目的はあるよ。訂正してもいいかい?」
「えっ、何?」
「散歩をする、という目的がある」
「知らねぇよ!!」
面倒くさいよ。
そんなの言ってたらキリがないじゃないか。
蜻蛉さんは本当に
「滑稽かい?」
「正解だ!」
自分でも分かっているんだね。
「ねぇ、蜻蛉さん。蜘戒さんのことは本当にどうするの?」
不意に蜘戒さんのことを思い出し、聞いてみた。
「そうだね、とりあえず今から蜘戒さんに会いに行くよ。そして、ドッペルゲンガーを見たという場所を調べてみるよ」
「なるほどね。いつ蜘戒さんに会うの?」
「今からだよ」
「早っっ!」
え? これただの散歩じゃなかったの?
仕組まれた散歩じゃないか。
よく分かんないけど。
「さっき僕は言ったじゃないか。この散歩には目的があるって」
「目的があるなら散歩と言うな!」
誰かに会いに行くのに散歩っておかしいよね?
可笑しい。不可思議で笑える・・・・・・可笑しい。
すみません、何でもないです。
作品名:朧木君の非日常生活(7) 作家名:たし