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朧木君の非日常生活(7)

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蜘戒編 其ノ二

 あれから二日後、俺は蜻蛉さんと鬼火ちゃんと歩いていた。
周りを見渡せば田んぼが広がる畦道だ。
そう、要するに散歩中なのだ。
大したあても目的もなく、無闇に闇の中を歩くだけの散歩。
珍しくこれまた意味のない、内容はある曖昧な会話が途絶え俺は思考を巡らせていた。

【ドッペルゲンガー】

二日前に蜻蛉さん家(都市伝説解決事務所)にやってきた蜘戒さんという、これまた病み属性をもった女性が持ち込んだ問題だ。
俺が考えても答えが出ないのは分かっている。
蜻蛉さんですら答えは出てないのかも知れない。
いや、蜻蛉さんのことだ全てを把握し掌握しているんだろう。
だってこの人は。
「朧木くん、掌握って僕がすごく強い人に聞こえちゃうよ」
半超能力者なんだから。
「蜻蛉さんが俺の心が読めちゃうのに馴れちゃったよ」
意味がわからない方は蜻蛉編をご参照下さい。
「僕は朧木の心なんて読めないよ。超能力者じゃないんだからさ。全く面白いことを言うね」
もういいよ。何とでも言ってくれ。
「朧木くんって面白いの?」
鬼火ちゃんが不思議そうに首を傾げながら言った。
「鬼火ちゃんがカワイイってことだよ」
「?」
そう! その仕草! 首を傾げて上目使いでキョトンとした顔! もう・・・・・・かわいすぎ!
「あっ、そういえば朧木くん。この前ね、蜻蛉を食べたんだ。あんまり美味しくなかった」
「鬼火ちゃん、文章的に蜻蛉(とんぼ)と蜻蛉(かげろう)は同じように見えるから気を付けようね? それと、とんぼは食べちゃダメ。お腹壊しちゃうよ?」
「ダメなの? ・・・・・・うん、分かった」
鬼火が口を尖らせながら不満そうに答えた。
しかしながら可愛さしかないな、この鬼の子は。
「くくく、僕が鬼火ちゃんに食べられるなんて正に滑稽な話だよね、朧木くん。嘲笑の対象だよ」
鬼火ちゃんに食べられちゃうのが滑稽な話で済ませられるのは、あなたくらいです。
普通は嫌だよね?
作品名:朧木君の非日常生活(7) 作家名:たし