男女四人、ツイッター物語(笑)
亜樹美は、小学校六年生の頃から学校に行っていない、所謂ひきこもりの女の子だった。
だからといって、ニュースや何かのように親に不満をぶつけて八つ当たりしたり、お金をせびって暴れるということもない。
ただ、年の離れた穏和な兄と、優しい両親に愛されて育った、学校に行かないということ以外は普通の13歳の女の子だ。
そもそも学校に不満があったり、いじめられたなんていうこともない。しいていうなら、人よりちょっとおっとりしていて、とても引っ込み思案だっただけなのだ。
それで人と上手く話せないうちに、なんとなくひとりぼっちになり、そして、これもまたなんとなく、学校に行けなくなってしまった。
13歳の誕生日を迎えたある秋のこと、亜樹美は大学生の兄の夏夫の勧めでツイッターというwebサービスに登録した。
兄は、亜樹美の引っ込み思案をどうにかしてあげたいと思い、自分が大学の授業で利用し、同じ工学部クラスタでつるんでるツイッターを利用しようと考えたのだ。
しかし、ツイッターは13歳以上でないと利用できない為、今日まで黙っていたのだという。
恐る恐ると始めた亜樹美だが、父のように慕っている兄が手取り足取りで教えてくれたのと、自分のTL上で仲間にRTで亜樹美のアカウントを教えてくれたのとで、すぐに馴染むことが出来た。
「別に話し掛けようと思わなくていいんだよ。ただ、独り言を言うつもりで、少しずつやってごらん」
そんな兄のアドバイスに素直に従い、最初は年上の兄の友達ばかりだった亜樹美のTLも、段々と年の近い人達や、亜樹美と同じアニメや漫画を読んでいる人達とで賑やかになっていった。
最初はフォローされる度に、この人にフォローを返していいのかどうかを一々兄に聞いていた亜樹美も、段々とスパムを自分で見分けることができるし、自分の興味ある話題に@も飛ばせるようになった。
最近ではRTやリストの使い方も覚え、フォローは怖くて出来ないまでも、気になる人をリストに入れる勇気は持てるようになった。
そんな中、亜樹美には気になる人ができた。
兄がいつも公式RTで呟きを広める冬彦さんという男の人だ。
冬彦さんは、プロフィールによると、小さな劇団に所属している俳優さんだそうだ。
トップページで他の人宛の@を見ると、主演を勤めることが多く、時折、自分で脚本を書いたりするらしい。
だからといって、ニュースや何かのように親に不満をぶつけて八つ当たりしたり、お金をせびって暴れるということもない。
ただ、年の離れた穏和な兄と、優しい両親に愛されて育った、学校に行かないということ以外は普通の13歳の女の子だ。
そもそも学校に不満があったり、いじめられたなんていうこともない。しいていうなら、人よりちょっとおっとりしていて、とても引っ込み思案だっただけなのだ。
それで人と上手く話せないうちに、なんとなくひとりぼっちになり、そして、これもまたなんとなく、学校に行けなくなってしまった。
13歳の誕生日を迎えたある秋のこと、亜樹美は大学生の兄の夏夫の勧めでツイッターというwebサービスに登録した。
兄は、亜樹美の引っ込み思案をどうにかしてあげたいと思い、自分が大学の授業で利用し、同じ工学部クラスタでつるんでるツイッターを利用しようと考えたのだ。
しかし、ツイッターは13歳以上でないと利用できない為、今日まで黙っていたのだという。
恐る恐ると始めた亜樹美だが、父のように慕っている兄が手取り足取りで教えてくれたのと、自分のTL上で仲間にRTで亜樹美のアカウントを教えてくれたのとで、すぐに馴染むことが出来た。
「別に話し掛けようと思わなくていいんだよ。ただ、独り言を言うつもりで、少しずつやってごらん」
そんな兄のアドバイスに素直に従い、最初は年上の兄の友達ばかりだった亜樹美のTLも、段々と年の近い人達や、亜樹美と同じアニメや漫画を読んでいる人達とで賑やかになっていった。
最初はフォローされる度に、この人にフォローを返していいのかどうかを一々兄に聞いていた亜樹美も、段々とスパムを自分で見分けることができるし、自分の興味ある話題に@も飛ばせるようになった。
最近ではRTやリストの使い方も覚え、フォローは怖くて出来ないまでも、気になる人をリストに入れる勇気は持てるようになった。
そんな中、亜樹美には気になる人ができた。
兄がいつも公式RTで呟きを広める冬彦さんという男の人だ。
冬彦さんは、プロフィールによると、小さな劇団に所属している俳優さんだそうだ。
トップページで他の人宛の@を見ると、主演を勤めることが多く、時折、自分で脚本を書いたりするらしい。
作品名:男女四人、ツイッター物語(笑) 作家名:刻兎 烏