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BBB(Beast between books)

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「まったく、お前が俺に適うはずねぇだろ」

「ううう、また失敗かぁ」

俺がパンを口に運びながら向かい側に座る、同居人、美空雫(みそらしずく)を睨む、ん? 兄妹じゃないのかって? ああ、実は業者のミスで、半強制的に同居状態にさせられたんだ、不運だろう?

「これに懲りて、俺にタックルとか仕掛けるの止めろよな」

「次はクスリを飲ませて・・・ロープで・・・」

「そこ! なに朝からハードな考えしてんだ、今すぐ脳内からその考えを追い出せ!」

「フン、私は諦めないよ、幸にぃの貞操を奪うまではね、フッフッフ」

こえぇ~!

何でこんな危ない奴と同居生活続けてんだよ俺! まあ、今頃部屋探しても見つからないからしょうがなく・・・いや、でもそろそろ危ない感じだよな。

とは言っても、実質、家賃は半分だから住みやすいと言ったら住みやすいんだけど、貞操を奪われるかもしれません、と言う条件付なのが痛い。

「ねえ、幸にぃ」

「なんだ」

「昨日何かあった?」

「は?」

「いや、幸にぃが怪我して帰ってくるなんて珍しいから、仕事、うまくいってないの?」

「お前が気にすることじゃねぇよ、ただ、昨日は少し、な」

俺は今日の夜中の光景を思い出し、少し気分を悪くする、別にたいしたことじゃない、奇獣を倒すのも悪いことではない筈だ、やらなければ俺たちがやられる、そういう戦いの渦中にいるのだから。

「幸にぃ~、今日変だよ? 本当に何も無かったの~?」

ずいと机に身を乗り出して俺の顔を睨む、俺は体をそらせると、目線を天井へと向ける。

「いや、別になんでも無いって」

「本当? 好きな人のこと考えてるとかじゃなく」

「いねーよ、んなやつ」

「嘘くさいな~、幸にぃモテルし」

「何処がだよ」

「ありゃ、知らないの、女子に人気だよ、幸にぃは(秘密裏で入手した写真も出回ってるし)自覚無いの?」

なんだ、今心の声が聞こえた気がするぞ、それも余り嬉しくないような・・・。

「あっ!」

と、急に雫が大声を上げて立ち上がる。

「どうした」

「私今日日直だった、ごめん先に行くね!」

雫は急に立ち上がると、どたどたと自室へと駆け込んでバック片手に一度リビングの方に顔を出す、そして天使のような輝かしい笑顔を俺に向ける。

「行ってきます!」

「おおーいってらっしゃい」

雫が玄関から出て行った音が聞こえる、少しは静かな朝食がおくれそうだ。

「あ!」

と思ったところで俺も立ち上がる、しまった・・・今日は。

「廓清委員会の召集がある日じゃないか!」

作品名:BBB(Beast between books) 作家名:髪様