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只今、イケナイ恋愛中!

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一年四組。
それが潤の、新しい生活場となる。
「まずは適当に座ってー」
ハキハキとした元気の良い教師が、皆に声をかけた。

「一緒に座ろっ」
「いいよぉ」

「ほら、こっち来いよ!」
「え~っ、お前の隣?」

こういった場面でも、限って潤が残される。
当たり前だろう。誰一人知っている奴がいないのだから。
「・・・どうしよう・・・」
ぼそりと呟いた途端、何や影が潤を覆った。
「こんにちは。先程はどうも」
「!!!」
そこには、今朝、潤とぶつかった委員長とやらがいた。
「あ、朝の・・っ」
はいと言うようににっこりと笑いかけ、続けて口を開いた。
「もし良ければ、お隣どうですか?」
「いいんですか・・?」
「はい」
また会えるとは思ってもいなかった。
いや、その前に、本当に同い年だったとは驚きだ。

「こっちです」
ぐいっと手を引っ張られた。
見た感じと言えば予想通りだが、大きくたくましい。尚且つ美しい手だ。
「ここで良いですか?」
「は・・い・・」
離した後も、その手の平の体温がまだ残る。
―――温かい。

「あの・・僕は、田辺 広思です。宜しく」
「あっ!・・・お、俺は、木村 潤ですっ・・・・・どうも・・」
優しげに笑う広思に、潤は軽く頭を下げた。
「木村くんですか」
「はい・・」
「可愛い名前ですね」
「え!?いやっ・・・そんな・・・っ」

可笑しな事を言う。
礼儀はなっているはずなのに、男相手に可愛いだなんて可笑しいだろう。

「田辺くん!木村くん!聞いてるの?」
「ご、ごめんなさいっ」
「・・・すみません」
入学早々、怒られてしまった。
「目つけられたかなぁ・・・」
「さぁ・・・でも、やばいですね・・・」
ふと目と目がぶつかる。
無性に笑いが込み上げてきて、二人、クスクスと声を上げてしまった。

作品名:只今、イケナイ恋愛中! 作家名:蝶々。