真紅の村
「ここが赤無村~?」
そういって車からおりてきた女性は佐藤ミナト。
ロングの茶髪の髪をかきあげて辺りを見回した。
「ここから徒歩だよ。」
そういって、細い獣道を指差しているのが谷口ソウ。
「うぇ~。」
そいういっているミナトをよそに元気よくその道に入っていく中山リュウト。
ミナトはそれを見ると小さくため息をついてその後を追った。
そのまま、歩いていると小さいお地蔵様がある。
「へ~かわいい!」
「こら、ミナト早くこいよ!」
そういっているソウにミナトは目線をあげもう一度お地蔵様をみる。
「お地蔵様、すこしここ入らせてね~。」
笑いながらそういってポケットに入っていた飴をお地蔵様の前においた。
そのまま、二人の後を追っていく。
その後姿をお地蔵様は黙ってみていた。
「ソウ、リュウトはやいんですけど~。」
「ミナトが遅いだけ。」
そういってわざと不機嫌そうに頬を膨らませるミナトにソウは冷静につっこんだ。
「お!アレじゃね?」
そういってリュウトは指を指す。
しかし、ミナトはその不気味な雰囲気にただならぬ恐怖を感じた。
「ね、ねぇ、なんかもう帰ろうよ…。」
ミナトはそういうとソウの袖を引っ張った。
しかし、二人は不思議そうに眉を寄せる。
「なにいってんだよミナト。」
「きたばっかりじゃん!今からだろう?」
二人はそういうと、村の中に入っていく。
ミナトは不安そうに眉を寄せたが、後ろを振り向くと真っ暗な闇が広がっている。
そのとき気がついた。
「さっきまで日が当たってたのに。
まるで夜みたい…。」
「ミナト~!早くこいよ!!」
向こうで、ミナトを呼ぶ声が聞こえる。
ミナトは最初は躊躇していたもののそのまま、村の中に足を踏み入れた。