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恋に恋して

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むしろ、なんで私はこの人と付き合っているんだろうという思いばかりが強くなった。
彼氏と一緒にいることが、苦痛になった。
そうか、あの時の私は恋に恋していたんだ。
ある時から、そう思うようになった。

そして、ついにそれを彼氏に言ってしまった。
彼氏は悲しそうな顔をして、別れようと言った。
ごめん、とも言った。
私は冷たく一言、さよならと言った。

私は、部屋中の窓を開け放ったような開放感を覚えた。
そして、なぜか強気になっていた。
こんなに私にやさしくしてくれるんだもの。
きっとあの人だって、私のことを好きなんだろう。
そんな気がしていた。

そして、同じクラスの彼に、告白した。
当然、OKされる。
そう思っていた。
彼は言った。
「ごめん、俺、三組の○○○ちゃんと付き合ってるから」

私は呆然とした。
なんで。
どうして。
それならなんで私に優しくしたの。
そして気づいた。
最初の彼氏ができる前、私はちゃんと考えていた。
ただの優しさという可能性を。
それが、今の自分はどうだろう。
そう考えたとき、とてつもなく恥ずかしくなった。

そうだ、彼氏とヨリを戻そう。
あれ、でも、こういう時、なんて言ったらいいの?
わからない。
そこで初めて、気づいた。
自分がどれだけ彼氏の事を好きだったのか。
失って、初めて気づく。
昔読んだ少女漫画に書いてあったセリフを思い出した。
作品名:恋に恋して 作家名:@龍太郎