たかが映画、されど映画
異人たちとの夏
1988年監督 : 大林宣彦
出演 : 風間杜夫、秋吉久美子、片岡鶴太郎、永島敏行、名取裕子
原作 : 山田太一
脚本 : 市川森一
事故で他界した夫婦(片岡、秋吉)が、歳を重ねた幼い子供(風間)と短い夏を過ごします。
秋吉の良さは改めて云うまでもありませんが、片岡鶴太郎がいいのです。
粋で無骨で優しくて、最近多芸が災いしてか演技に妙な力みがみられる鶴太郎が、ここでは絶妙な父親を演じています。
自分たちの年齢を超えた息子に、すき焼き鍋を挟んで、秋吉と二人で別れを言う場面の表情は、万感胸に迫ります。
山田の原作、市川の脚本、そして大林の演出、カメラもセットも何もかも素晴らしく、暑い夏の生んだ陽炎のような懐かしい風景が心に残ります。
名取裕子のカットは浮き気味ですが、それを差し引いても傑作です。
作品名:たかが映画、されど映画 作家名:しん よしひさ