たかが映画、されど映画
東京少女
2008年監督 : 小中和哉
出演 : 夏帆、佐野和真、福永マリカ、秋本奈緒美
脚本 : 林誠人
音楽 : 遠藤浩二
堀北の『東京少年』と同月に公開された佳作。
Bs-iの連続企画ドラマに同タイトルのものがありますが、この映画作品もBs-iの製作。
『天然コケッコー』『うた魂』と段々役の上でも学年が上がっていく夏帆がとてもうまく生かされた作品です。
夏帆扮する未歩が落とした携帯が明治へタイムスリップをして、漱石の門下生宮田時次郎の元へ届く。
互いに自身の事を話すうちに芽生え大きくなっていく思慕と、減っていく電池、なかなか上手い設定です。
時空を越えたデートは、『イルマーレ』(2000年韓国)に似通っていますが、銀座に残る老舗を介したやり取りと、その場面での老婦人との抱擁はジンときてしまいます。
「自分のなす事は何か」二人が抱えた難題に、ラストのカットが示した解答も良い余韻を残します。
他愛のない物語と言われるかもしれませんが、こんな悪意のない綺麗な話を描く作品が存在することがとても嬉しいことなのです。
作品名:たかが映画、されど映画 作家名:しん よしひさ