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牡丹に蝶々

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「私を貴方の国の民にしてくださいますか」
初めての気持ちだった。
「そなたは私にとても美しい話を聞かせてくれた。そして私のたわいない話を聞いてくれた。そなたはもう、私の友であり同胞だ」
忠臣とか呼ばれる者たちは私の話を冗談だと聞き流してしまうのだ、と彼が言うと、周りの偉そうな人々が身じろぎした。
私は自分の中から途方もない開放感の喜びと、これまで自分がしてきたことへの後悔がない交ぜになった複雑な涙が込み上げるのを知った。
生まれて初めて、私が仕えるべき人間がいるのだと思い知る。そしてこの人こそが、その人に間違いないのだと。
「ありがとうございます──私の王よ──」
作品名:牡丹に蝶々 作家名:ゆきやす