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参加コミュ「短編家企画」作品集

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僕らは銃火器を携え、通称【都市の洞窟】を目的地に向け歩みを進めていた。
一般人が立ち入らない地下には縦横無尽にトンネルが掘られている。
まるで迷路…嫌、シェルターのようだ。
そして、僕らが目差しているのは本物のシェルター。
見付けた時は驚いた。
この都市に本物のシェルターがあったとは…
しかも、市民は誰も知らない。知らされていないのが現状か。
知っているのは一部の要人のみ…実際に戦争が起きてそこを使用出来るのもその要人だ。

捜し出すのに2年。開閉暗号キーを解読するのに半年を費やした。

そして今夜が決行の日だ。
どぶねずみのように地下道をはいずり回りずぶ濡れでやっと目的地にたどり着く。
湾曲した通路が終わり、大きな壁が我々を拒むかのように立ちはだかる。
そこには【Shellfish】と書かれていた。
その壁の右隅に不自然なテンキーモニターが埋め込まれている。
暗証番号とカード認証の二重ロック。

「リーダー。任せなって、こんなの猫の子ニャンニャンだから」
僕をリーダーと呼ぶ男はグループの中では最年少の陸。
クラッカーとしては右に出る者はいない。
だが、一般常識が少しズレている。

「それを言うならお茶の子さいさいな。全然あってないだろが…」
呆れる態度で言ったつもりだが陸は気にも留めず。
「男は細かい事は気にしない」ニコッと笑い。
端末機とカードキーを使い難無く扉を開けた。

その瞬間眼前にループ状の通路が拡がる。
突き当たりには円筒形の扉。
アイツが居るシェルターだ。
此処まで来るのに硝煙と鉄錆の匂いを何度嗅いだ事か。