参加コミュ「短編家企画」作品集
秋田の過疎化した田舎でも、お盆ともなれば若者や子供達の歓声が大自然にコダマする。
「爺ちゃん、婆ちゃん!花火しよ」
縁側に座った老夫婦に、真っ黒に日焼けした男の子と女の子が駆け寄る。
「まぁだ早い、暗くなってからな」
子供を諭すように老人が言った。
子供達はブーイングの嵐とかし庭を駆け回る。
それを見た老女は、老人の肩を叩き…
手話で「爆竹」と伝え微笑む…
あの時使った爆竹。
今は孫達と…
パパパパンっと田舎の山河に軽快な音が響き、子供達の歓声が沸き上がる!
老女は、手話で「来年も覚えていてね」と老人に伝えた。
老人は「もちろん」とうなずいた。
短編家企画『花火』
コミュの第二弾です。
作品名:参加コミュ「短編家企画」作品集 作家名:槐妖