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二つの痣

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その日、学校へいる私の元に、警察から電話があった。
私の家に空き巣が入ったというのだ。
早退をして警察へと向かい、担当の警官から話を聞く。
なんでも私の部屋へ忍び込んだ空き巣は、愚かなことに大きな物音を立てたらしい。それで不審に思った大家に通報され、あえなく捕まったということだ。
警官は私の立会いの元、現場検証をしたいと言う。
しかし盗まれたものがない以上、私はもう面倒事に巻き込まれたくないので、丁重に断った。
警官はなかなか引き下がらなかった。しかし、私は頷かなかった。



警官から解放されると、私はそのまま家へ向かった。
玄関の前のチョークの跡を踏み越え、部屋へ入る。
荷物を机の脇に置いて、クローゼットを開いた。
やはり脚の痣もだいぶ薄くなっている。
私は溜息を一つ吐いてネクタイを緩めると、着替えるために服を脱ぎ始めた。
作品名:二つの痣 作家名:akr