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仁科 カンヂ
仁科 カンヂ
novelistID. 12248
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ドキドキ幽体離脱パニック

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「悪魔からそんなこと言われる筋合いありません」
 おお、相変わらず暴力女は口が悪いな。俺もまけてられねーぞ。
「願いって何だよ。一応聞いてやるよ」
 何気に興味あることを聞いてみることにした。
「私たち……彼氏が欲しいんです!」
 なぬ? 彼氏だと? そんなことで悪魔を呼ぶのか? 悪魔も大変だねぇ〜って俺のことかよ! 女風呂行かないで何やっている俺……
「無理だ!」
 俺は言ってやったよ。
「どうしてですか!」
 声を荒げる委員長。よっぽど彼氏欲しいのか?
「だってお前、男がエロい話していたらすぐ先生にちくるだろ? そんなことをしていたらもてねーぞ」
「嗚呼……アシュタルト様は何でもお見通しなんですね!」
 いやクラスメイトだからです……
「そこの暴力女! お前はいつも男を蹴るだろ? もっとおしとやかになれよ」
「え! どうして知っているの?」
 だからクラスメイトだからだっつーの。
「それにひきかえ、飛鳥はいつも大人しくて……まあ俺は好みだな」
「え……」
 頬を赤らめる飛鳥。後の二人はそれがお気に召さない様子で、目つきが悪くなった。
「どうして飛鳥ばかり!」
「そうよ。私のほうがかわいいのに!」
 言っちゃったよこいつ。どの面下げて自分のことをかわいいって言えるんだよ。百合恵さん……駄目ですよ。
「自分でかわいいって言っちゃだめですなぁ」
「むき! 悪魔のくせにえこひいきですか? 信じられません!」
「先生に言うのかよ。委員長さん?」
「うちのクラスの男子みたいなこと言わないでください!」
 うちのクラスの男子なんですけど……
「悪魔に逆らっていいのかな? 呪ってやるぞ〜」
 ちょっと脅してみた。三人とても怯えていたね。うひひ。おもれーなこれ。
「委員長と暴力女……もっとお前らのクラスの男子をいたわるように。そうすれば願いを叶えるか考えてやろう」
 ちょっと悪魔っぽく言ってみた。ついでに俺の願望も入れてみた。うひひどうなるものか。
「やっぱり悪魔召喚はやばいよ」
「男子をいたわるってマジありないんですけど」
「こいつ帰そうよ」
 なんか宜しくない謀議が繰り広げられているんですけど……
「えい!」
 委員長の百合恵が杖を振りながらかけ声をかけると、またもやもや空間に入らされて、ついでに意識が遠のいた。
 気付くとそこは自分のベッド。体に戻ったのか……女風呂に行きそびれた。がっかり。でもまあ今度までに場所を探しておいて迷わないようにしようかね。
 そういや……委員長むかつくな。今度天罰を下してやる……ん? 委員長ってブログやっていたっけ。見てみようか。
 パソを立ち上げて、百合恵で検索。あったあった。これか。なになに? 悪魔の系譜? 危ない名前だな……おおあったあった。この前のことが書いてある。

「悪魔は男子並に低俗だ。がっかり」

 なぬ〜! 百合恵! 今に見てろよ!!
 俺は百合恵に復讐を誓うのだった。……その前に女風呂ね?