完結してない過去の連載
マホラジャ
この前出来た傷が化膿してきた。
「ごめんなさい」
三日前彼氏(つーかほぼ婚約者?)にフラれた。
「ごめん」でなくて「ごめんなさい」
それは多分この身長とするどすぎる目つきのせいだと思う。
惨めな帰り道
さらに惨めになんもないところで転んで、膝が割れた。
ほっといたら傷が化膿してきた。
同じくメンテをおこたってた心の方も
足も心も腐りそう
魔法がかかって
明日可愛くなってたらいいのに
(神様…)
ってこんな時だけ神頼みとか。
しょうがないから魔法使いにでも祈っとこう
(目覚めたら、小さい背の可愛い女の子になってますように…)
ぴぴぴぴぴぴぴぴ
ぱちん
(…あぁ今日も…)
この顔だ
これから一生こいつに付き合わなきゃいけないのかと思うと…
「おはようハニー」
「…」
緑色の髪の男が
浮いてる…
(今時は髪緑にも染めれるんだなぁ…)
…って、
「??!」
「おはようハニー」
「…夢」
「え?」
…これは夢だ…
そう夢に違いない…
「まてぃッ二度寝するな!!」
男が焦って布団をはいできた
「…よし。夢だと言うことにして聞く。あんた誰?」
猫みたいな顔のその男はあいかわらず宙に浮きながら言った。
「俺は偉大なる魔法使いジョルド。お前の名を言え」
え…
えらそう!
「…京子。大岡京子24歳普通のOL。」
「24…。もっと若いと思っていたのに…!リュイカに騙されたな…」
「そりゃ悪うござんしたねッ」
なんかこいつ…
ウザッ
顔はいいのに。
「まぁいい。願いをひとつ叶えてやろう。お代はお前の寿命半分だ」
「…は?」
「さぁー言ってみろ!世の中もっと楽しくなるぞ♪」
「押し売りもいい加減にしろよ!」
「なにっ?!寿命の半分ぐらいよこせばいいだろう!…ならば特別に教えてやろう。お前は後49年と五ヶ月と三日と6時間38秒の命だ。半分にしたって、49歳まで元気に暮らせるんだぞ?」
「…」
そうすると…
あと25年の命…か…
夢ならいいかな…
別に長生きしたい理由もないし
「…わかった」
「えっ」
「その契約承諾するわ」
「まっまじ…?!やったぁ!これで晴れて自由の身だ!」
「…なにそれ」
「あ?…言ってなかったけど俺まだ正式な魔法使いじゃないの。100人の寿命をもらってかないと認められないわけ。いくら才能があっても例外は認めないって言われちゃってさ。あ!今さら取り消しはなしだぞ?」
「…それは残念ね…」
「え?」
「あなたには一生私につかえてもらうわよ」
作品名:完結してない過去の連載 作家名:川口暁