完結してない過去の連載
未来なんてあっけない
平々凡々なつまらない毎日
成績は中の上の高校で窓際の一番後ろ(ラッキー)の席
好きな食べ物は肉系(高校生だしね)とすっぱめグミ
彼女もいたことはあるけど、流れで付き合って流れで別れた
きっとこのさきも…
「なーなー達彦なんでここの高校受験したの」
軽い付き合いの孝平が聞く。
「家近いし」
「げっそんだけ?」
「うちさー、俺が産まれたぐらいの年に家建てたんだよ。幼稚園、小学校、中学、高校、大学が均等に近いとこに」
「なんだそりゃ」
「だから俺がなんも知らないころから勝手に進路決まってたってわけ。」
「あー、お前んち自営業だしな。転勤の危険ないもんなー。じゃなに?S大うけんの?」
「多分ね」
我ながら、
なんて寂しい人生。
「達君おかえり」
母が俺を迎える。
一人っこだから将来介護しなきゃなんないのも俺。
でも多分俺はヘルパーさんを頼むだろう。
そんな気がする
「お父さん夕飯よ」
「今日はハンバーグか」
小さい本屋を営んでいる父。
でも多分俺は公務員かなんかになって、中年すぎたころにここを継ごうと決意する。
きっと。
…なら最初から継げよって話しだけどさ
「いただきまーす」
そんなつまんない毎日を、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでも変えてくれる、そんなこと結婚したい
それがつまんない俺の、たったひとつのささいな願い。
作品名:完結してない過去の連載 作家名:川口暁