BSS-Another 無題七編欠片稿
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知人から聞いた話だ。といってもありふれた話だけれども。
路地裏にはいくつもの小さな死体があるという。遺体、というべきか。死骸という言葉とか、遺骸という言葉とかは使えない。骸という字は「むくろ」と読むが、人間には現代社会では少なくとも使われていないし、使ってはいけないことにされている。
じゃあ、小さな死体とは?すなわち、本来生んではいけない赤ちゃんをそこに捨てるのだ。産んではいけない赤ちゃんなんているのか?産んではいけないというのは、その赤ちゃんがこの世に生きていてはだめ、ってことか?違う。親の現在の立場として産んではいけない、ということだ。
作品名:BSS-Another 無題七編欠片稿 作家名:フレンドボーイ42