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『箱舟』

箱舟が君を乗せて舵をきる

鮮やかに映る水面には
過去の亡霊が彷徨い写る
それは鈴の音だ
乾いた心に響いている

誰も名前を言わない
誰も知らない自分ただ一つの名
消えてゆく自分の証

拭い捨てられないと知りながら
祈る懺悔の言葉も忘れた

踊り揺さぶられた眠りの中で
夢も見ずに揺れている

船は行く
過去も未来も捨てて
何もない虚空の時代に迷い込む

哀れな身を捨てて…